朝の連続小説ドラマ「花子とアン」はご覧でしょうか? 超テレビっ子のわたしは帰宅後、寝るまでひたすらテレビを観ます。ドラマやバラエティ、ドキュメンタリー、音楽番組までチェックしておきたいことだらけなので、朝の連ドラまでは無理!と観てなかったのですが、「あまちゃん」以降、「ごちそうさん」、「花子とアン」と日課のように楽しく拝見しております。
ご存知「あまちゃん」は愛しのクドカンさんだし、80年代要素を絶妙に取り込まれて、当時と現代、田舎と都会、すべての魅力をわかりやすくリンクさせた傑作です。そして「ごちそうさん」は愛しの飯島奈美さん監修のお料理が素晴らしかったので、もう文句のつけようがない。で、「花子とアン」。はちゃめちゃなようで、コレといった事件性のない平凡な花子が主人公なだけあって、日常的なドラマっぽい展開が少なく、せわしない朝に“ながら見”するにはちょうどいいのもわかるのだけど(本来の朝ドラの姿だろう)、仲間由紀恵演じる蓮さまが登場すると、物語がぐんぐん進んで一気に面白くなる。花子の平凡な日常をかき回す、蓮さま最高です。でもほんとは…平凡が一番むずかしかったりするんだけどね。
▼写真はある日の「花子とアン」のワンシーン。人物もなにも映ってないけど、おもちゃの指輪セット(ドラマ内では高額な宝石)を思い出して、ときめきまくったので…。
竹村真奈
笑福亭鶴瓶司会の『A-studio』(TBS)が面白い。
ゲストの素顔を引き出すべく、ゲストの友人や関係者に鶴瓶さんが直々に会いに行って、徹底取材。ゲストも驚きの意外な人物から、近しい有名人など幅広く取材していて、身内だからこそゲストの本音やこれまで語られることのなかった話を引き出していく。ココまでやられちゃったら、他の薄っぺらいトーク番組が見れなくなっちゃいます。
狂ったように日記更新中。こういうときは大抵死ぬほど、原稿がたまっている状態です……。現実逃避です。
さらに誰に頼まれたわけでもない、ドラマ最終回レビューを書くタイミングを完全に逃しました(ちっ)。前クールというか、まだ終わってないけど、飛び抜けていたのは「ルーキーズ」です。「王子辞典」「制服男子」にも登場してくれた城田優くん、五十嵐準士くんらも大活躍です。市原隼人が急激にカッコ良くなった感じもたまらなく良いです。熱いです。胸が高鳴ります。泣いちゃいます。男は男らしく! ああ、好きな男性のタイプまで変わっちゃいそうです。次に良かったのは「おせん」。視聴率? ノンノンノン! そんなもんでドラマを判断しては絶対にいけません。蒼井優の可愛さが120%詰まっており(喋り方も凄まじく良い)、和のすばらしさが凝縮された世界観にうっとりです。着物が可愛いな〜と思い、スタイリストをチェックしてみると、大森よう子さんではありませんか。そりゃ、ステキですよ! それと食べ物を丁寧に描くドラマは好きです。最近のドラマに珍しく、時間の流れがゆっくりしてるのも良かった。
あと、「アラフォー」ね。40代がテーマだけど、30代でも十分(笑えるくらい)ハマる。反面教師になりますね……。そして、「ラストフレンズ」。中盤までは最高潮に面白く、毎週楽しみでならなかったけど後半は……。とくに10分拡大の最終回。ちょうど10分ほど不必要(無駄)なシーンが。まず、瑠可とタケルが事故る必要があったのか? ミチルが出産後に危険状態に陥る必要があったのか? やたら意味深だったタケルの過去も、中盤からおざなりになっていったし、いろいろ複線張っておきながら、放ったらかしになった案件が多々。ただ、上野樹里さんの演技はどこでも言われてることだけど、すごかった。本物の男に見えたもんな〜。これからが楽しみな女優さんです。
で、気になる今クールですが……残念すぎる。山田太一先生のドラマにハマりすぎたか、最近のドラマが薄っぺらく感じてしまう。な〜んのメッセージ性もないまま、人気どこだけを集めたキャスティング頼りな仕上がり。視聴者には一切関係のない、しがらみを感じさせられる作りが哀しい。
山田太一ドラマスペシャルV「本当と嘘とテキーラ」を観る。
「正しくないこと」に直面したとき、人はどうするか?
ここには、幾通りもの「本当」が隠されている。嘘と隣合わせにあるイイワケが存在する限り、本当のことを言っても信じてもらえないときがある。これは嫌なもんだ。でも嘘とかイイワケが必要なときは絶対的にある。これもいい気はしない。そんな葛藤が描かれている。
で、山田太一作品をここ最近立て続けに観ている。この世にいる人すべてが主役だ、なんてよく言うけれど、山田太一の作品でもまた、出演する役柄すべてが主役のような存在感を放っている。これは目立つ役とか個性の強いキャラとかそういうことではない。観る人によっては気づかないくらいの細かな心理描写が丁寧に丁寧に描かれているのだ。で、気を抜いていると、ちょっとしか登場しない脇役が突如として、永久保存版的名言を投げかけてくるから、テレビの前から一歩も動けない。
最近観た「早春スケッチブック」はこれまで観たドラマの中でもトップ3に入るくらいにハマった。随分昔のドラマだけどいま観ても、素晴らしい作品。ありきたりの日々を退屈に思ったり、何かを諦めなくてはならなかったり、絶望的な気持ちに打ちひしがれたり、とてつもない孤独を感じたり。今も昔も人生という壮大なテーマの根底に流れるものは何ひとつ変わらない。台詞というよりも詩のような、ドラマというよりも舞台のような、そんな感覚に近い。
「おまえら、骨の髄までありきたりだ」という二度見ならぬ、二度聞きしたくなる台詞が出てくる。ありきたりの平凡な毎日を退屈に思ったり、自由であることを孤独に感じたり、人間とはないものねだりな生き物だ。私はそのどちらもをどーにかこーにかコントロールすることを日々重ねてきたつもりだけど、これがまた、なかなか上達しない。平凡なら刺激を与えればいい、孤独なら檻に入ってみればいい。それだけのこと。私はラッキーなことにどちらも行き来できる感覚がある。なのに、結局のところ、どちらをとっても一生満足はできないのかなと。満足できたとしても一時的。ないものねだりな刺激中毒はワガママで困る……。DVDが出てるのでちぇけら!